カテゴリー別アーカイブ: パピエstory

庭の方も、彩づき始めています

古民家のリノベーション、第1段階として、プライベートスペースのキッチンやトイレ設備などは完成し、現在は、内装関係の工事を進めているところです。リノベーションのことはまた別の回で触れるとして、今回は少し庭のことを書きたいと思います。

今日から4月、庭の桜も、今年は例年より早く咲いています。桜以外の花も咲き始め、若葉はいっせいに芽吹き、鳥の鳴き声もあちこちで聞こえてきます。この家に住んでいて一番うれしいことは、はっきりと四季を感じられることです。この時期は、冬の間じっと静かにしていた庭が、暖かみや日差しとともに、一気に動き出していき、季節の移ろいが最も体感できる時期でもあります。

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そんな春の陽気に誘われて、私も庭の方の手入れにも勤しみ始めています。樹木の葉が本格的に広がらないうちに、背を低くしたり、下の方にも陽が入るようにしたり、違う木の枝が重ならないようにしたりと、いろいろな剪定作業を行うとともに、冬から残っている落ち葉の処理も行い、一部はだるまストーブで燃やします。併せて、お世話になっている「あおぞらファーム」さんにアドバイスをもらいながら、小さな畑づくりを始めました。家にあった古いレンガで畑の場所を決め、これから、せっせと粘土質の土の掘り起こしや木の根切りをしていきます。そのような作業を、土がフカフカになるまで繰り返した後、有機肥料や落ち葉を燃やした後の灰を入れ、時間をかけて畝を寝かした上で、やっと野菜の苗を植え始めます。コツコツと地道な作業ですが、ワクワクする楽しい作業でもあります。300401STORY畑

 まち全体の環境保全のため、少しでも循環型、地産地消の一翼を担えれば良いなと思います。1つの家でできることは本当に限られますが、これからも庭仕事、楽しく進めていきたいと思います。

Katsuji

いよいよ、木造モダニズム建築(古民家)のリノベーション開始

この4月から、水彩教室をはじめとした様々なイベントについて、アトリエだけではなく、古民家部分のキッチンやリビングも、皆さまにご利用いただけるように設える予定です。そのため、少しだけリノベーションを行うことにしており、この前、いよいよ工事に着手しました。

工事の大きな流れとしては、これまでは、アトリエ側の古民家リビングやキッチンを、家族の食事やくつろぎなどの生活スペース、製作やパソコンなどの業務スペースとしていましたが、今後は、これらを古民家の奥の方に移行させるようにします。その上で、アトリエ側のリビングは教室やイベントスペースに、キッチンは参加者の方々にもご利用いただける調理・イートインスペースに、それぞれ模様替えするように考えております。

段階的にリノベーションを進めることとしており、まずは、奥のスペースでも生活できるよう、奥に元々あったキッチンやトイレの改装から着手しています。古くて使えなくなったコンロやシンクを撤去し、そこに、この前機材搬入リフトで運び込んだIKEA製のキッチン用品を設置していきます。設置のためには、床や壁を開けてのガス管、水道管などの接続が伴ってきますが、一部、内壁を取り壊したところ、土壁の中から、古いのに実際に通電している多くの電気線が出現してきました。工務店の方も予想できなかったレトロ電気線の出現。古いが故に、いろいろな驚きや発見がある家でもあります。

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生活用キッチンとトイレの設備設置はまもなく完成。次は、それら内装工事と、夫婦それぞれが仕事できる業務スペースの整備となります。そして、現在のリビングやキッチンにある荷物をいくらか移動しつつ、皆さまが利用できるスペースの設え(しつらえ)へと。1つ1つ順を追いながら、最終、良い感じに仕上がっていければなと思います。

Katsuji

リノベーションに向けて、機材搬入リフトが完成

アトリエが併設する木造モダニズム建築(古民家)。4月からは、アトリエだけでなく、古民家のキッチンやリビングも皆さまにご利用いただけるよう、少しだけリノベーションを行う予定です。詳しい中身については次回以降にお知らせするとして、今回は、リノベーションの準備としての機材搬入リフトについて触れてみたいと思います。

我が家の古民家は、道路から少し上がった小高い土地に建っています。普段、古民家までは、舗装された小さい坂道を歩いて行くのですが、普通の車で登っていくには少し細すぎます。以前、アトリエの増設やデッキの設置を工務店や木工屋タクトさんにお願いした時は、ギリギリの幅の坂道を軽トラックで搬入いただいたのですが、今回、タクトさんのアイデアの元、機材や荷物用の搬入リフトを手作りで設置してもらいました。

事前に準備いただいた搬入道のパーツをネジ釘でつなげ、家の裏手から道路に続く枯れ木だらけのデコボコした傾斜地に土台を組んで搬入道を設置し、搬入道の上部に道路からの機材等を引っ張り上げるウインチを取り付けていきます。そのことで100kgくらいの荷物であれば十分に運び込むことができるようになりました。タクトさんの神の手にかかれば製作作業は3時間ほどで、しかも強度はしっかり、機能はばっちり。本当に素晴らしい手さばきを見させていただきました。

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今後、本格的に家の方のリノベーションに取り掛かっていく訳ですが、このような知恵と工夫で、機能的かつ美しく、最新の技術と匠の技でしっかりと良いものに仕上げていければいいなと思います。我々夫婦も、できるところはDIYで参加し、できるだけ自らの手を加え、思いを込めていきたいと考えています。

Katsuji

「我が家の木造モダニズム建築」にも根付く藤井厚二の設計思想

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早速、「木造モダニズム建築」という言葉を使ってみました。先般、藤井厚二設計の聴竹居や八木邸の見学をした後、改めて我が家を眺めてみると、多くの共通点があることに気付きます。

「環境共生住宅」という観点では、クールチューブはないものの、網代(あじろ)の天井や、各所に設置されたガラス窓など通気性に配慮した設計や、木陰を利用して直射日光を避ける植栽など、夏の暑さへの配慮が非常に行き届いている感じがします(ただ、冬の寒さは正直こたえますが)。また、「和と洋をうまく融合させた建築」については、板間より高い畳間、板間に設置された一段高い床の間など、欧米の文化を取り入れながらも、あくまで日本の文化、日本人の感性に適合させた設えが随所に見られます。さらに、「自然の中にうまくとけ込むような家づくり」についても、まさにそのような建物配置になっていて、さらに庭そのものも、美しさと機能性を兼ね備えた造りになっていると思います。

加えて、この家が建てられたのはちょうど関東大震災の頃。耐震設計にも非常に配慮されていることも改めて感じます。聴竹居見学の際にも説明があったように、つくりつけの家具が横揺れに対する補強材の役割を果たしていたり、屋根瓦の面積を小さく銅板で覆う部分を大きくして上からの重みをできるだけ減らしたり。また、家の中の柱も、良く見れば場所によって素材や太さが違っていて、核となる部分には十分な強度を持たすよう緻密な構造計算がされていると感じます。

藤井厚二氏は「その国を代表するものは住宅建築である」という名言を残されたそうです。100年近く経過した今にも通ずる根幹となる部分もあれば、現代のライフスタイルに適応したり、老朽化した部分を補強したりした方が良い部分もあるかと思います。これからも丈夫にかつ快適に、そしてみんなに愛されて存在し続けるために、古き良き部分はできるだけ残しながら、一部はリノベーションをして、今の時代を息づく古くて新しい建物になればと思います。

Katsuji

藤井厚二設計 環境共生住宅の原点「聴竹居」

100年ほど前、私たちが住んでいる家を設計・デザインされた藤井厚二氏は、他にも数多くの建築物を手掛けられています。その中で最も有名な建築物は、昨年国の重要文化財に指定された「聴竹居(京都府大山崎町)」です。一昨日、聴竹居の見学ツアーに参加し、聴竹居倶楽部の方から様々なご説明をいただきました。聴竹居は、藤井厚二氏自らが家族とお住まいになられた実験的住宅で、現在にも通じる非常に斬新な設計思想が組み込まれており、とても興味深くお話を聞かせていただきました。 story31つ目は「環境共生住宅」。特に、暑い夏をどう過ごしやすくするかを重要視し、その一例として、床下に長さ12mの土管を埋め込み、自然の西風を取り入れて屋内を涼しくするクールチューブが設置されています。

2つ目は「和と洋をうまく融合させた建築」。広い板間のリビングルームを中心に据えたり、畳間を板間より30cmほど高くし、椅子に座る人と畳に坐る人との目線を同じにするよう配慮したりと、西洋文化が日本に導入される過渡期に見事に和洋を融合させた設計になっています。

3つ目は「自然の中にうまくとけ込むような家づくり」で、地形や植生などを上手に利用しています。他にも細かな知恵や工夫が満載で、合理的かつ美しい造りとなっています。

藤井厚二氏は、和と洋、自然と建築、芸術性と合理性など、相反する2つのことのバランスを非常に重視された方だったのだと思います。しかも、50対50とか30対70とかではなく、どちらも全力投球、100対100というイメージで。そのあたりは、パピエでも大切にしたいと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA <追記>10日ほど前に、同じく藤井厚二氏設計の「八木邸(大阪府寝屋川市)」にも見学に行ってきました。その時、聴竹居倶楽部・八木邸倶楽部代表の方がおっしゃられたのは、藤井厚二設計の家を「古民家」というのは適切ではなく「木造モダニズム建築」という表現が良いということでした。なかなか言い慣れませんが、少しずつ、そのような言い方に慣れていこうかなと思っています。

Katsuji