カテゴリー別アーカイブ: パピエstory

残していきたい、我が家の「雨庭」

先月の地震に続いて、7月上旬の長期間にわたる豪雨。広い範囲で多大な被害が発生し、今なお避難生活を強いられている多くの方々には心よりお見舞い申し上げます。北摂地域でも、避難勧告や避難指示が多く発令され、本当に災害続きの昨今となっています。近年、頻発している豪雨災害は、地球温暖化が大きな原因と言われています。長年、石油や石炭などの化石燃料に依存し、二酸化炭素を大量に排出してきたツケが、猛暑や豪雨など、人の健康や生命までも脅かす大問題となっていると言えます。少し専門的な話になりますが、このような気候変動について、少し前までは、火力などから太陽光などへ発電方式を変えるとか、節電などエネルギー消費を減らすなど、できるだけ二酸化炭素の排出を減らして気候の変化を抑えましょうという対策(緩和策)だけが注目されていましたが、最近は、気候変動はある程度やむを得ないという前提に立って、それにどのように順応するかといった対策(適応策)も重要であるという流れになっています(私自身も、他社と協働して、適応策の研究を行っているところです)。

適応策の1つとして、この前のような豪雨災害の際、一気に雨水が流れ過ぎると、下水道などの内水の氾濫や、河川堤防の決壊などにつながってしまうので、可能な部分は土や緑にしてジワジワと雨水を浸透させるという方式が、欧米諸国を中心に見直されています。日本では、京都の枯山水などの庭園が先人の知恵として古くから存在しており、そのような方式を「雨庭」として、逆に海外に発信しています。そういう目で我が家の庭を見ると、家までの小道は舗装され、一気に水が流れるようになっていますが、家の周辺は土や緑で覆われていて、ジワッと雨水を浸透し、過度に水を道路に流し過ぎないようになっていると思います。もう少しよく見ると、土でジワッと浸透するすぐ横に水を溜めおく水路的なものがあったり、小道についても昔ながらの石積みの側溝があったりと、雨水の流れをうまく制御する工夫があり、古くからの「雨庭」の思想が垣間見れます。

今後も、できるだけ自然の土壌は残し、雨水の浸透とともに、夏の暑さを気化熱などで和らげる働きにも期待したいと思います。ただ、雨の日に、来られる方の靴底ができるだけ汚れないよう、砂利か石などのステップ的なものを整備しなくてはとも思っています。自然の力を最大限に生かしつつ、一部は人の手で補って、安全で心地良い暮らしにつながっていければと思います。

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Katsuji

我が家を使ってのイベント、第1回「おやつの日」

この前の北摂を震源とする地震、皆さまご無事だったでしょうか。被害にあわれた方、心よりお見舞い申し上げます。築100年近くの我が家も、傷みが非常に心配でしたが、土壁の一部にひび割れが出る程度で、何とか軽症で済みました。自然災害は、日本全国、どこでも起こる可能性があります。あらためて、その恐ろしさを感じさせられた出来事でした。

さて、我が家については、5月末に概ねリフォームが終了して、この1ヶ月ほどは備品類を買いそろえたりしていました。今回のリフォームは、アトリエ側にあるリビングやキッチンをイベント用に広く使えるように、奥のプライベートスペースで仕事や生活をしやすくするためのものです。元々あった家具や文具などを奥に移動するとともに、新しくできた奥のワークスペース、事務スペース用に机や椅子を購入したり、奥のキッチン用に細々とした台所用品を購入したりしました。また、事務スペースは和室なのですが、階段室の本棚を移動したおかげで、アトリエ側のイベントスペースの方から、ふすまでつながるようになりました。聴竹居と同じように、洋間から小上がりで和室があることを見られるようになり、板間での椅子目線と、畳での座布団目線が同じ高さというのが体感できるようになりました。

本日はカフェ的イベントの第1回「おやつの日」。リフォーム後初めて、アトリエと古民家のキッチン、リビングなどを広く使ったイベントです。お天気も良く、家の窓から見える緑や、新しいアトリエと古い古民家との融合などを楽しんでいただきながら、カフェmayさんの特製のスイーツと、ほっこりとした語らいのひとときを過ごしていただきました。今後も、このように、家や庭を利用して、様々な形態で楽しんでいただくような機会を設けていきたいと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いします。

おやつの日

Katsuji

NPOによる大木調査、伸びる木と、枯れる木

今年の冬、吹田市のNPO法人の方々が、大木調査ということで我が家に来られました。幹回りが2mを超える木を「大木」と定義し、どのようにして情報を集められたのか分からないのですが、学校や神社、公園、民家などにある大木の状況を調査するために、市内をまわられているそうです。10年ほど前にも同じ調査で来られたことがあり、その時は、家の裏手にある1本の木が「大木」と認定されました。当時、その木は、しっかりと枝を広げ、手のひらのような大きな葉っぱを生やしては、毎年落としていました。それまで、ずっとポプラと思っていたのですが、調査の結果、ユリノキであることが分かりました。ユリノキの落ち葉は毎年掃除しなくてはならず、面倒ではあったのですが、以前から何となくその葉っぱが好きだったので、その葉を掃除で見かけるたびに、また1年、元気に生育したんだなと、生命力を実感していたものでした。ただ、ここ最近、見るからに枯れていき、葉が育たなくなり、枯れ葉を落とさなくなっていました。今回の調査で、幹回りは変わらず2mを超えていたのですが、幹部分に別の植物が太いつるのように絡みついて、ユリノキ自体を弱らせていたようです。そうかと思えば、さらに奥の竹やぶ内では、新たに3本の木が2m超えしていることが判明し、「大木」がこの10年で1本から4本に増えました(2本がアベマキで、1本がエノキです)。木の成長スピードは本当にすごいなと思う一方で、ひとたび弱ってしまうとその衰退スピードも計り知れないんだなとも感じます。 story12これからも、伸びる木、枯れる木、それぞれ手助けをしながら、うまくバランスを取っていければと思います。現在、我が家へと上がる小道の途中に、2本の大きな木があります(シイとヤマモモです。幹回り2mは超えていませんが)。今後も、周りの木々を適度に伐採・剪定しながら、この元気で大きな2本については、我が家のシンボルツリーとして残してやりたいなと思っています。

Katsuji

北摂のシンボル、竹の良いとこ、悪いとこ

今日から6月。すっかり春も終わり、今は初夏の空気に満ち満ちています。我が家の裏手の奥山には昔から竹やぶがあり、春になるとたけのこが顔をのぞかせ、掘っては食すのが毎年の楽しみになっています。今年も4月~5月にかけ、時には知人をお呼びして、竹の恵みを満喫しました。竹は、北摂地域には昔からよく生えており、私が通っていた吹田の母校でも、校歌のフレーズや校章のモチーフになるなど、この辺りでは馴染みの深い植物の1つであると考えられます。また、竹は、スクスクと伸びる生命力や、整然とした景観など良いイメージがありますし、たけのこのような直接的な恵み以外にも、竹細工や竹炭などの原料としても広く利用されるものです。

ただ、良い部分だけではありません。強い生命力ゆえ、放置していると、隣接地まで伸び過ぎたり、密集し過ぎて竹やぶ全体が荒廃してしまったり、地下茎がどんどん伸びて竹やぶのエリアが家の目前まで迫ってきたりします。そのため、境界付近の竹は切り、大き過ぎるたけのこは竹にならないよう切り落とし、枯れかけた竹は間引くなど、何とか頑張って最低限の手入れをしていますが、なかなか追いつかないのが実情です。また、切った竹について何か有効利用できないかと、竹細工やパウダー利用をする事業者に問い合わせたこともありましたが、品質面や初期コストの問題などがあり、これもなかなか難しいようです。

現在は、切った竹やたけのこは地面に寝かせ、ゆっくりと土に戻るのを待ちながら、なるべく自然な形になるようにしています。竹林だけでなく、周りの枯れ木や落ち葉を循環利用することも考慮に入れ、小鳥たちの棲み家にもなるような環境が整えることができたらと思っています。これからも、できる限りの範囲で家の周りのみどりを美しく保ち、来られた方の癒しスポットとして喜んでいただけるよう、精一杯、手入れしていこうと思います。

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Katsuji

古い家は、隅々まで使ってこそ

3月から着手していた古民家、木造モダニズム建築のリノベーション。夷工務店さん、木工屋タクトさんの2社の連携プレーに加え、我々夫婦もDIYで少し参加し、ほぼ完成となりました。今回は、奥のプライベートスペースのリフォームが主で、そのことにより、アトリエ側にあるリビングやキッチンを教室時に広く使えるようになりました。この4月からリニューアルした水彩教室をスタートしており、今後、他のワークショップやイベントなど、皆さまに数多くご利用していただけることができればと考えています。

story10b奥のスペースは、仕事や生活などのプライベートスペースになるので、皆さまにご利用いただくことはあまりないのですが、リノベーションの過程について、業務をお手伝いいただいた2社のホームページに詳しく掲載されていますので、ご関心のある方、是非のぞいてください。

<夷工務店> http://www.wood-worker.co.jp/4718 http://www.wood-worker.co.jp/4812

<木工屋タクト> https://m-takuto.sakura.ne.jp/

こちらの想いを主に妻のイラストで伝え、それを職人さんの腕によって実際の形にしていただく、時に軌道修正し、できる範囲で作業のお手伝いをし、少しずつ目に見えて仕上がっていく、非常にクリエイティブな期間だったと思います。また、リフォームに先立ち、家のいろんな箇所について、物の整理も行いました。「こんな所にこんな物があったんだ」など多くの発見もありつつ、汚れている部分は掃除し、使わない物は廃棄し、壊れていた箇所は補修して、家全体を総点検する良い機会にもなりました。これらも含めてリノベーションというように考えています。

アトリエや玄関側の表部分は皆さまにご利用、奥側になる裏部分は製作や業務、日々の暮らしなどプライベート利用と、大きく2つにゾーン分けすることで、家全体を使っていく形が見えてきました。古い家は放ったらかしにしている部分から壊れていきます。昼も夜もいろいろな形で、隅々まで素敵に使い尽くしていきたいものです。

Katsuji